2021年10月の読書記録
2021年11月12日(金) 14:39
本&映画の紹介10月後半は、仕事が忙しすぎて読書は進まず。そんな中で『匣の中の失楽』を手にしてしまったのは不覚でした。ぜんぜんわからなかった。三大奇書のひとつとか言われているだけあって、再読する意欲もわいてこない笑。『麦本三歩の好きなもの』は一転、気楽な小説でしたが得るものは少なかった。もう一冊も含めて、10月の小説チョイスはいまいち続きでした。
仕事が、ミレニアル+Z世代向け服飾に関係するものであろうことは予習読書のラインナップから悟られてしまうことでしょうが、それはとても楽しかったし、勉強にもなりました。こうやって毎度、ちがう業界からの調査仕事が舞い込んで、いろいろ読んで予習するのが本当に楽しい。
いただきものの『Era Web Architects』については、近々ブログで紹介します(たぶん)。とりあえず11月も仕事つづきなので、二桁キープできるように頑張らねばだ。
読んだ本の数:10
読んだページ数:2721
ナイス数:94
ファッションの仕事で世界を変える ――エシカル・ビジネスによる社会貢献
ファッション業界の調査案件が入ってきたので予習の読書その1。ミレニアル世代とジェネレーションZが、時代の移り変わりの中でどんな影響を受けてきたと考えられるのか、それが消費や仕事の仕方にどう現れてきたのかを、実体験を踏まえて教えてくれる良書。著者自身がエシカルビジネスを起ち上げるに至った経緯や実現に向けて取り組んだことも詳細に語られるので、社会起業家を目指す若い人たちにとってはすばらしい教科書になると思われる。若い世代のことを知りたいオバサンにとっても、タイムリーな参考書となりました。
読了日:10月01日 著者:白木 夏子
こころをよむ 時代をまとうファッション
予習読書その2。NHKラジオ講座のテキスト。街で定点観測をしてきた積み重ねと、大学で若い子たちとの接点を持ち続けていることが著者の軸を強くしてる。すごく勉強になりました。日本に洋装が入り込み、定着しながら独自の進化を遂げてきたことや時代ごとの特色がわかりやすくまとまっています。締めに「ジェンダーとファッション」を持ってきている構成も良い。ファッションに対してそれほど強い執着を持っているつもりはなかったけれど、時代の影響をしっかり受けて着るものを選んできていたことにも気付かされました。
読了日:10月03日 著者:渡辺 明日香
スクラップ・アンド・ビルド
要介護者の本音と介護者の本音が静かに浮かび上がり、交錯する様子が描かれていた。介護者が時おり吐く暴言が、介護の大変さを伝える。要介護者を抱えた家族の日常は、自宅、デイケアセンター、病院の3ヶ所を行ったり来たり。そこに、同居していない家族の存在や関係性もチラリと覗かせるあたりのリアル感がすごい。「プラスの介護」と「マイナスの介護」。超高齢化社会に向かう日本が抱える課題は深くて暗くてコワイ。
読了日:10月05日 著者:羽田 圭介
ミレニアル+Z世代の心に響くデザイン
予習読書その3。日本を留守にしていた3年間、どんなモノコトが若い子たちの間で話題になっていたのかを勉強しました。キーワードは「ニューレトロ」「ボーダーレス」「映え感」といった感じだな。「エシカル」があまり出てこないのはすこし意外。消費を促す広告のデザインがメインだからかな。次は、この中で紹介されていた若い子たちに人気の小説を読んで、彼らの共感を呼ぶ日常がどんな感じなのかを探ることにしよう。
読了日:10月07日 著者:
ピリカ
病棟看護師としてフルタイムで働きながら、寝る間を惜しんで野生動物の写真を撮り、治療に向かう患者さんたちを鼓舞しようと努める写真家さんの写真集。素晴らしい写真のオンパレードでした。キタキツネとは数えきれない回数、目を合わせてる。シマフクロウやコノハズクとこんなに出会えるものなんだー。しかも、雛たちとも。こんな出会いが叶うなら、私も写真を始めようかな?と一瞬でも安易に考えてスミマセン。定山渓の温泉旅館での借り読みでした。素敵すぎるので、買うかもしれません。
読了日:10月09日 著者:半田 菜摘
暮らしの図鑑 民藝と手仕事 長く使いたい暮らしの道具と郷土玩具61×基礎知識×楽しむ旅
民藝品はむずかしい。ひとつ一つは素敵なのに、何も考えずにコレクションしていくとまとまりのない変な感じになる。気づけばまったく使わないで終わるものも少なくない。でも気になる。琉球ガラスと星耕ガラスは是非とも手に入れたい。会津漆器も気になりすぎる。イタヤ馬もめっちゃ手に入れたい。とりあえず、年末の京都旅行では、河井寛次郎記念館に寄ろう。星耕硝子の工房へ行くために秋田へ行こう。近場で日本民藝館と神楽坂のコハルアン、jokogumo、目黒のゆうゆうじんは明日にでも行きたい笑。
読了日:10月09日 著者:
アパレルの終焉と再生
仕事の前の予習読書。百貨店やアパレル企業に対して「言わんこっちゃない!」と叱咤(激励も含まれているかどうかは微妙)する内容。業界の内幕もいろいろ暴露してくれているので一般消費者としてはまあまあ楽しく読めるし、著者の言うとおり、コロナ禍を経て「多産多死インフレ・ファッションシステム」に訣別し、エシカルな「需給一致デフレ・サステナブルシステム」に移行する展開になれば良いけど、どうかな? 緊急事態宣言解除後、人出がすごい勢いで戻ってきているのを目の当たりにすると、そうかんたんには行かなさそう。
読了日:10月16日 著者:小島 健輔
麦本三歩の好きなもの 第一集
ミレニアル世代ってどんな感じ?を教えてもらおうと思って読んでみたのだけど、こういう子はいつの時代にもいるよなー。自分のことを大事にしながらも周囲には気を使い、仕事を通じて人生にとって大切な何かを掴み取ろうと密かに頑張る(けど、心のなかで毒づいてみたりもする)。周囲のやさしさに甘えている自覚はなく、まわりも自然とそれを受け止め、厳しさとやさしさを交えながら教育を試みる。うん、やっぱり、いつの時代にもいるよこの子。つまり、ミレニアル感がよくわからなかった笑。
読了日:10月17日 著者:住野 よる
Era Web Architects
Web黎明期に、その可能性に魅入られどっぷりとはまった人たちが、どう生きてきたのかを見える形で残そう!というプロジェクトの成果物のひとつ。ご恵贈いただきました。30名の強者たちが、自らの学生時代をふり返り、インターネットやWebとの出会いを語ります。その後の経歴と現在の状況などに続いて、20代に戻れるとしたらどうしたい?と人生をやり直す笑チャンスをもらうことを夢想し、最後に業界の若い人たちへメッセージを届けます。30人それぞれの人生を垣間見て、わたしが肩を並べられると一瞬でも思ったのは奢りだったと気づく。
読了日:10月24日 著者:坂本貴史 他
新装版 匣の中の失楽
『ニッポンの文学』からの10冊目。なぜ仕事が忙しくなるまでコレを積読してたのかを猛省しています。スキマ時間にちょい読みを繰り返す読み方が通じる相手ではなかった。つまり、ぜんぜんわからなかった笑。結局、どっちがフィクションなの?(いや、全部フィクションだし) 結局だれが死んだの? こいつは生きてるの?(最初の質問クリアーしないとこの答え出ないし) とりあえず、全員まったく若さを感じさせないな(男子は全員オッサン面しか想像できない) 解読したければ再読せざるを得ないが、その意欲がまったく湧きません笑。
読了日:10月31日 著者:竹本 健治