2021年3月の読書記録

2021年04月09日(金) 17:46

本&映画の紹介

帰国直前の1週間はホテル暮らしだし、帰りのロングフライトもあるしで楽勝だと思って油断した。引越し準備がなにげに大変だったのと『九十九十九』が謎過ぎて、ぜんぜん読み進められなかったのとで苦戦しました。結局、アパホテルの部屋にあった元谷夫婦の2冊でぎりぎり2桁達成という体たらくとなってしまった……笑。

おすすめは、その2冊ではなく『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか』と『ワン・モア・ヌーク』の2冊にします。お子さんをお持ちの方は『スマホ脳』を読んでおくと良いかもしれない。

日本に戻ってきてからも、月に10冊以上の読書を続けられるかどうかはチャレンジですねー。


読んだ本の数:10
読んだページ数:2597
ナイス数:78

人を動かす「色」の科学 人を動かす「色」の科学 (サイエンス・アイ新書)
若い頃、カラーコーディネーターの資格を取りたいなぁ…とぼんやり考えていたことがあって、でも他の勉強が忙しくて後回しにしたまま20年くらいが経った笑。前半、見開き2ページでひとつのお題をさっくりと紹介する作りが良いリズムを作りつつ簡潔で良かったのに、見開き2ページに収まらなくなったレンジャーとジャニーズの話あたりが残念感を煽る。でも、色の話はやっぱり面白いなーと再確認したので、老後にでも勉強してみるか(すぐにはやらずにまた先送り笑)。
読了日:03月02日 著者:松本 英恵

ワン・モア・ヌークワン・モア・ヌーク
一年遅れだけれどタイムリーな選書だった。東京を核被災地にすることで平和ボケしている日本人と懲りない日本政府に、今度こそ本気で核と向き合え!とメッセージを送ろうとするテロリスト。それが30代の日本人女性という設定。動機が弱いように感じたが、そのくらいの動機でこれほどの計画を立て、本場もんのテロリストを利用しようとした挙げ句、バレても動じずに次の手を打てる冷静な強さを備えた彼女の強そうで弱い心に共感する女子は多いのかもしれない。そして何より、読者だけが俯瞰しながら物語を追える構成と手法が秀逸だった。
読了日:03月04日 著者:藤井 太洋

もしも桃太郎が少年ジャンプの連載だったらもしも桃太郎が少年ジャンプの連載だったら
冒頭に少年ジャンプの目次パロディがあるのだが、その一発目の『ONE PEACH』がウルトラ級の面白さで(あ、著者はもちろん桃太郎という想定です)というか、そこでお腹抱えて笑ってしまって、本文への期待値が一気に上がった。そして『ONE PEACH』級に笑わせてくれるところは本文には一度も現れないという残念な一冊でした。まぁ「クスっ」程度に笑えるところはちょいちょいあるので暇つぶしにはなるでしょう。
読了日:03月05日 著者:スエヒロ

スマホ脳スマホ脳
絶え間なく情報が流れてくるスマホを手にしていると、どこに注意資源を使い、どの情報を固定化すべきかの判断が邪魔され続けるため、情報の取捨ができず結果的に「なにも記憶に残らない」。デジタルライフが共感力を鈍らせ、心の理論能力を弱めていることを示す兆候がいくつも見つかっている。という具合に気になる情報が目白押しでした。スウェーデン人にうつ病が多いのは長くて暗い冬のせいだと思い込んでいましたが、近年、(著者曰く)スマホの影響で状況は悪化。特に若年層に出てきている影響が甚大だと警鐘を鳴らす内容でした。
読了日:03月13日 著者:アンデシュ・ハンセン

ユリイカ 2018年5月号 特集=アーシュラ・K・ル=グウィンの世界 ―1929-2018―ユリイカ 2018年5月号 特集=アーシュラ・K・ル=グウィンの世界 ―1929-2018―
88歳で惜しまれつつこの世を去ったアーシュラ・K・ル=グウィンを追悼し、彼女の著作に影響を受けてきた人たちがそれぞれに思いを馳せる。同じようなことを何度も、ちがう言葉で読まされる感じでかなりキツイ読書でした。まー、おかげで『ゲド戦記』を再読しようとか、『所有せざる人々』は読むべきだとか、『世界の誕生日』を積ん読から解放しようとか目標は定まりましたが、寄稿文で唯一「楽しく」読めたのは、能楽師である安田登さんの本人曰く「素人の視点で自由に語」った内容でした。能楽の世界とゲド戦記を繋ぐ興味深い論考です。
読了日:03月14日 著者:上橋菜穂子,荻原規子,清水真砂子,萩尾望都,白井弓子,上田早夕里,横田創

メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問
セミナーの構成や演習の参考にさせてもらうために再読。Why型思考は調査設計をするときに、アナロジー思考は調査結果を分析し考察するときに役立つことを再確認。特に前者を短時間で実践し、体感できる演習をもう一捻りで作れそう……なところまでは来た。5W1Hの中で、「Why」だけが何度もくり返せて、くり返すたびにメタレベルが一段ずつ上がっていくという説明が実にわかりやすい。WhyのWhyを聞く。そのまたWhyをしつこく聞く。それが深堀り(のひとつ)ですって話をするときに借用しよう。
読了日:03月18日 著者:細谷 功

九十九十九 (講談社文庫)九十九十九
『ニッポンの文学』からの抜粋3冊目。タイトルの読み方から分からない一冊笑。主人公の名前だったのかーってところからスタートして分からないことの連続。「これは難しい。こういうのを“文学”と呼ぶのか……」なんて思いながら徐々になんか違う気がしてきた。結局一度の通読では理解不能で、二回読んだからと言って理解できそうな気もしない目力だけで人々を失神させられる美しき主人公(という謎)の物語(たぶんこれも違う笑)。漫画『無限の住人』で肩に生首を移植する変人が出てきたが、絵的にはそんな感じ…か?ホント分からなかった笑。
読了日:03月21日 著者:舞城王太郎

なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略
「夫源病」に「復讐うつ」とはすごいネーミング。妻は年をとってわがままになるのではなく結婚当初からずーっとわがまま。そもそもその結婚自体が、ホルモンの仕業による幻覚で一時の気の迷いだと言い切られてしまった。「エイリアン妻と共生するための15の戦略」の中に「不要なモノは捨てる。使ったモノは片づける」というのがあって笑った。この1年間、ワークフロムホームを続ける旦那が開けっ放しにする扉を閉め、つけっぱなしにする電気を消して歩くことにほとほと疲れていた私に夫源病の兆候を知らせるお告げの書だったのかもしれない笑。
読了日:03月30日 著者:石蔵 文信

強運 ピンチをチャンスに変える実践法強運 ピンチをチャンスに変える実践法
強制隔離の初日にアパホテルで読了。彼女のようなグイグイくるタイプには苦手意識があるのだが、おそらくそういう相手にも彼女はグイグイいけるのだろう。徹底的なポジティブシンキングとスルー力(りょく)と、そのグイグイ力(りょく)が強運を引き寄せて離さない秘訣と思われる。彼女もアパホテルも躍進を続けていてスゴイし、強制隔離で久しぶりに泊まったら案外悪くないじゃん?とか思ったりもしたけれど、やっぱりわたしはもう少しゆとりのある客室に泊まりたい。できればシャレオツな笑。そんなステキ展開を期待しています。
読了日:03月31日 著者:元谷 芙美子

逆境こそ光輝ある機会なり逆境こそ光輝ある機会なり
強制隔離生活を送るアパホテルにて。アパグループ代表の自伝。この夫婦のスタートは信用金庫なのですかー。しかも宅地開発や建売住宅事業などのほうがホテル事業よりも先なんだー。そしてアパホテルが生まれ、日本一の経常利益を誇るグループへと成長するまでの道のりが時系列にすっきりまとまっています。アパホテルには正直興味がないけれど、部屋にあったのでこれも縁と思って読んでみました。「アパホテルは狭いのではなく、狭く作っているのだ!」とな。たしかにここなら一日100歩も歩かずに生活できる笑。
読了日:03月31日 著者:元谷 外志雄