2018年5月の読書記録

2018年06月08日(金) 16:13

本&映画の紹介

5月は読んだ。久々に20冊に届きそうな勢いであった。やはり、名古屋の LAMP LIGHT BOOKS HOTEL読書三昧の1泊2日を過ごしたのが大きい。そこだけで4冊だもの。カフェ併設の本屋で読ませてもらった本も3冊混じっているので、買わずに読んだ本が7冊もあります。ゴメンナサイ。絵本が2冊こっそりと混ざっていますが、『なんでもたしざん』は頭の固い大人にもオススメです。ジョブ理論については仕事絡みの予習。黒須先生と暦本先生の本もお勉強。小説はグロイ感じのものが多めになっていますが、中でも『ルビンの壺が割れた』は現代版の往復書簡でジワジワ引きづり込まれる流れが絶妙でした。北欧ぐらしに備えた予習本が1冊もないのは反省。6月に取り返します。

読んだ本の数:18
読んだページ数:3893
ナイス数:125


ことば絵本 明日のカルタことば絵本 明日のカルタ
「遠足も楽しいけど、近足もたのしいよ」、そうだなぁ、もう少し心に余裕を持ってその辺を歩いてみよう。「キリンの特徴を首が長い以外で答えるカッコよさ」、そうね、違う視点は大事。「つまづくよ。つまづかないほうがオカシイよ」、ホント、勇気出た。「何これ? 思ったときが調べどき」、好奇心好奇心。「普通じゃない!と言われたらチャンス!」というのは最高に大事。そして「みんなのことばっか見んな!」って、子どもの頃に聞きたかった言葉。そんな言葉のオンパレードでした。
読了日:05月02日 著者:倉本 美津留


IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅 (小学館文庫)IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅 (小学館文庫)
フランス出版界でも例を見ない大ヒットという触れ込みと、“IKEAのタンス”に惹かれて読んでみたが、言うほど面白くなかったというのが正直な感想でした…。フランス語が分かって、ちょいちょい出てくる言葉あそびを笑えたらもう少し楽しめたかもしれないけれど。翻訳には努力の跡が見られるので翻訳の問題ではないと思う。奇想天外な旅…も、行ってもリビアまでか…とか思ってしまった笑。タイトルがな…、閉じ込められたのではなくて、自分で入ったわけだし、中で用を足すとかあり得んわ。その後のタンスが心配(どうでもいいところ笑)。
読了日:05月03日 著者:ロマン プエルトラス


なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか(祥伝社新書321)なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか(祥伝社新書321)
“読書は違う時代、違う国、違う人物に一時なることができる、いわば究極の「旅」なのです”って、これ、私がセミナーの締めで言ってる「小説を読んで想像力を鍛えよ」の話に通じるのですよ。本屋さんをブラブラするのは私にとっても大切な趣味の一つで、街中で時間が空いたら本屋を探す。時間を潰しているつもりが飲み込まれて、大量に本を買って、鞄は重いわ、約束には遅刻するわ…みたいな笑。本屋B&Bが出来た頃、すぐにでも行ってみよう!と思って、そのまま忘れていたことを思い出しました。近々かならず。巻末の素敵本屋さんリストが最高。
読了日:05月04日 著者:嶋 浩一郎


出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
本を勧めて欲しいと思うような人が出会い系にいるのか?というのがまず素朴な疑問で、本書により私の知らない世界が開かれた。出会い系には行かないけどね笑。行かないけど、観察眼と想像力を鍛える訓練方法として、出会い系はありだな…とかも思ってしまった。著者の成長とそれをしっかりと記録し、言語化しているところには脱帽です。中ですすめられている本にイマイチ惹かれなかったのは、それらがそもそも私に向かっていないからだろうな、と思いつつ、勝負本として『青春と変態』が登場したときにはウケた。著者とは気が合うかもしれない笑。
読了日:05月05日 著者:花田 菜々子


なんでもたしざんなんでもたしざん
素敵な足し算、強引な足し算、深イイ足し算、納得いかない足し算、いろいろでしたが、つまり、大人の頭はカタイということでして、ぜひ柔軟で、枠にとらわれることのない、斬新な発想をできる子どもを経由して、大人になってもらいたいです。そんな想いを込めて姪っ子へのプレゼント。
読了日:05月08日 著者:ナイジェル・グラフ


華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
“テレビラウンジ”に閉じこもり、そこで得られる情報だけが”現実”であり”真実”だと盲目的に信じる人々。ラウンジに放り込んで遊ばせるだけの子育ては”洗濯とおなじ”と言えてしまう母親。本を知らずに生きることになる子ども達。本を燃やすことを生業とする昇火士。読み終えてみれば、テクノロジーに依存し、容易に手に入る情報を好み、その真偽を疑いもせず、他者の目を気にしながらビクビク生きる現代人の姿が描かれていたように思う。考えることをやめてはダメ。思考停止が一番の罪。それを教えてくれる重苦しい物語でした。
読了日:05月08日 著者:レイ・ブラッドベリ


水がなくなる日水がなくなる日
日本は陸地面積の割には森林が多いし、近ごろは雨…を通り越して豪雨も多いし、水不足の心配は低そう…というのはとても安直で危険な誤認識だということを思い出させてくれた。とりあえずは、節約にもなるし、ペットボトルを買わずに水道水を携行するようにしようか、とすぐにできることはそれくらいしか思いつかないな。あと、食べるものを粗末にしないとかか。庶民が、雨水をもう少し手軽に再利用したり、備蓄したりできる仕組みができると随分とちがうかもですが。
読了日:05月09日 著者:橋本 淳司


キュロテ 世界の偉大な15人の女性たちキュロテ 世界の偉大な15人の女性たち
どなた様もスゴイのです。冒頭のヒゲおんなでそのハートの強さに度肝を抜かれ、躊躇いもなく戦場へ赴くンジンガやローゼンの逞しさに憧れ、トーベ・ヤンソンやクリスティーン・ジョーゲンセンのように性差別と闘う勇気に感動し、古代ギリシャの時代に男性優位社会に挑み、権利と地位を獲得した女性がいたことを今まで知らなかったことを恥じた。かんしゃく持ちの父にこっぴどく叱られて…プイと家を出たきり、二度と戻らなかったというデリアの行動力と気合とやり抜く意思には憧れるわぁ。さあ、私はどう生きる?
読了日:05月09日 著者:ペネロープ・バジュー


読書で離婚を考えた。読書で離婚を考えた。
タイトルが煽ってるところは好きじゃないけど、二人のやり取りは楽しませていただきました。「そうそう。世の中には読み方がわからない本がある」と、あとがきにかえて、で円城さんが言っているとおり、二人が紹介し合った本の多くにまつたく惹かれなかった。この人たちと私、違う価値観世界にいる笑! でも、『記憶破断者』と『妻が椎茸だったころ』と『活字狂想曲』は読みたいなぁ、と思ってます。本書、読み始める前は旦那と本をお勧めし合うってやつをやろうと思っていたけど、どうかな…、やめたほうがいいかな笑。
読了日:05月11日 著者:円城 塔,田辺 青蛙


Amazonで変なもの売ってるAmazonで変なもの売ってる
不思議の国へ行ってきた。戻って来られて良かった笑。Amazonで変なもの売ってるのはホントだから、まさかこんな異次元に連れて行かれるとは思わなかったなぁ…。それでも、姉妹のいる人生ってこんなだったのかな?なんて思いながら読みました。読めました、意外と。母親ってやはり偉大だよなーとか、女三人の会話が面白くて、そこは全然ファンタジーではなくて。先入観なしにそろっと読み始めてみれば案外スルリといけますよ。
読了日:05月12日 著者:谷山浩子


スターヘッドスターヘッド
ランプライトブックスホテルの部屋にあったので読んでみました。軌道を外れて美しい惑星に寄り道したお星様とサンタさんの冒険…というか珍道中。奇天烈な登場人物…と言っていいものかアレですが、大味な出演者の皆さんが愉快です。ワニにも発言の機会をあげたかった笑。では、次の本を借りに行きます。
読了日:05月12日 著者:たむら しげる


ルビンの壺が割れたルビンの壺が割れた
事前情報皆無。タイトルだけで選び、読み始めてからずっとコイツ気持ち悪いオッサンやなぁ、Facebook怖いよぉ、同世代だよ嫌だなーもぅ、などと思いながら、前半はスピード感がなく、ダラダラと読んでましたけれども、婚約者と叔父さんのちょめちょめあたりから急加速。前のめった、リアルに笑。ラストの一文がちょうど改頁されているという構成⁈っていうの?なんていうのか分からないけど、これは著者ではなくて装幀担当さんのスゴ技なんかな? とにかく最後まで駆け抜ける感じ、良かったです。
読了日:05月12日 著者:宿野 かほる


コンピュータと人間の接点 (放送大学教材)コンピュータと人間の接点 (放送大学教材)
放送大学の放送をたまたま見て、その勢いでテキストを購入。前半の黒須先生執筆部分は、ユーザビリティ関連のセミナー資料に追加したい内容が盛りだくさん。自分でうまく説明できずに悩んでいた事柄についての解説がタイミングよく見つかって大助かりです。後半の暦本先生執筆部分は単純に楽しい。最近の研究者はこんなことしてるのか~、わぁスゴイ、めっちゃ楽しそう!という感じでワクワクすると同時に、これからのテクノロジーの進化についていく自信がなくなったりして凹む笑。おばあちゃんにも優しいUIばっかりになるといいな。
読了日:05月14日 著者:黒須 正明,暦本 純一


まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)まぐだら屋のマリア (幻冬舎文庫)
彼女が綴る物語は、いつも美しい光景を思い描かせてくれるので好き。古びているけれど手入れの行き届いたお店、もっと長い歴史を刻んできたであろう女将のお宅や庭と紅葉する木々、克夫が運転するボロボロだけど頼もしい軽トラ、名戯寺へ続く石段や石畳、そんな情景を思い描きながらの読書でした。心に傷を抱えた人たちが、美味しいお料理を食べて、あるいは作って人に食べさせて、生きる喜びを思い出していく物語。罪を忘れないようにともがく様が痛々しく、一方で許せずに苦しむ老婆の胸中を想うともっとツライ。でも最後には許しがありました。
読了日:05月15日 著者:原田 マハ


新しい時代のお金の教科書 (ちくまプリマー新書)新しい時代のお金の教科書 (ちくまプリマー新書)
お金に対する考え方や接し方が今どうなっていて、どう変わっていきそうか…を端的に教えてくれることを期待していましたが、“教科書”と言うには難し過ぎる哲学と経済学の本でした。「タテ社会(貨幣・権威)とヨコ社会(信用・ネットワーク)を両立させて生きていく術を身に付ける」べしとさらっと書いてますがスゴク大変ね。やっぱりこれからの時代、生きていくだけで大変笑。“時間通貨”の話はとても面白いし頷けるのだけど、“時間単価”を考えながら仕事をしてきた私としてはそこの違いがよくわからなかったなぁ。
読了日:05月17日 著者:山口 揚平


煙か土か食い物 (講談社文庫)煙か土か食い物 (講談社文庫)
あちこちで徹夜必至!と評されていたので、それを信じて事前知識なく読み始めて、「アメリカで活躍する日本人スーパー外科医の話かぁ」という感じで緩くスタートしたら、あっという間に舞台は福井に移って、福井のまんま笑。一郎の冷静さと長男としてのしっかり感、二郎のカメラアイと暴力性、三郎の音楽の才能とある種の諦めの良さ、四郎の頭脳と凄腕医術、こんな天才一家があってなるものか。その父、丸雄は国会議員だと? 二郎のやりたい放題でとっくに辞職だわぃ。母(名前忘れた)が二郎をかばってあげられなかったところが本当に残念でした。
読了日:05月20日 著者:舞城 王太郎


ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
UXリサーチを設計するとき、利用文脈とユーザーの行動を観察して、時間軸や社会的文脈による変化を鑑み、ユーザーの感情とその変化も意識しながらUXリサーチを実施するとき、そしてそこで得られたデータを分析し、イノベーションにつながるデザインをと狙うとき、“ジョブ理論”を知っているかどうかはとても大切です。新しいことは何も言っていないのだけれど、“ジョブ”という用語にすっきりまとまったところがこの理論の最大の価値ですね。確かに説明しやすく、理解しやすくなりました。日本語だとちょっとアレですけども…笑。
読了日:05月21日 著者:クレイトン M クリステンセン,タディ ホール,カレン ディロン,デイビッド S ダンカン


「ジョブ理論」完全理解読本―ビジネスに活かすクリステンセン最新理論 (SHOEISHA DIGITAL FIRST)「ジョブ理論」完全理解読本―ビジネスに活かすクリステンセン最新理論 (SHOEISHA DIGITAL FIRST)
勢いでクリステンセン教授の『ジョブ理論』といっぺんに買いましたけれども、あんまり要らなかったかも…笑。たいした解説になってないし、タイポ多くて読みにくい。p63に致命的なタイポがあるのだけれど、これに気づかなかった人はジョブを理解できていないか、流し読みが過ぎるかのどちらかですね。とは言え、軽くて(薄いから)携行しやすいので、超要点だけ掻い摘んでくれた参考書的に扱えばいいのかな。ただし、『ジョブ理論』を読まずにこっちだけというのはちょっとアブナイ感じします。
読了日:05月22日 著者:津田 真吾,INDEE Japan