Whale Watchのコツ

2009年04月05日(日) 00:09

UXいろいろ, アメリカ縦横無尽, ボストン, モノ+コトの話

海面に浮かぶ巨大な黒い物体。さて、何でしょう?

 

[1] 水面に浮かぶ黒い物体 [2] いよいよお目見え! [3] 絵になるクジラの尾ヒレ

CHIという学会に参加するためにボストンへ来ています。 私たちの暮らすパロアルトからは飛行機で6時間ほどの長旅。せっかく来たんですから、ついでに観光をしないわけにはいきません。

学会へ行くたびに”どっちがついでだ?”という状況になりがちですが、学会にもきちんと顔を出して、営業もモリモリやってますのでご心配なく。

で、写真の物体は、ボストン観光の目玉の一つ“Whale Watch”で苦労して撮ったクジラさんです。沖に出てしばらくはクジラが現れず、姿を見せてくれるのは数頭のイルカのみ。このままでは“Dolphin Watch”に終わってしまうよぉ〜と少し諦めモードが漂い始めた頃、クジラが潮を吹き、尾ヒレを振り上げて勇姿を見せてくれました。

クジラの動きに合わせて、船上の観光客は甲板を右へ左へと大忙しです。最初の頃は、私もつい人の波に流されていたのですが、途中で気付きました。主催者としては、乗客全員が少しでも間近にクジラの姿を見られるようにしてあげたいと考えるわけですから、クジラの動きと潮の流れを巧みに読んで船の向きや位置を変えるのは彼らの大事な仕事です。それはつまり、甲板上を右往左往するよりも、どちらかに陣取ってクジラが自分の居る側に姿を現すのを待つのが賢い乗客のあり方だということ。さらには、船首の向きが変わり始めたら、皆が動き出す前に反対側へ移動するという応用も可能です。

それに、いくら地球上でもっとも大きな生物だとは言え、広〜い海原でその姿を見つけるのは至難の業です。現れれば、“船の右側、2時の方向にクジラがいま〜す”と主催者がアナウンスしてくれるのですが、アナウンスが終わる頃には、船もクジラも移動していて、位置関係が微妙にずれてしまう。どこ〜?なんて言いながら探していたのではシャッターチャンスを掴めません。そこでポイントは、他の乗客の指さしを利用することです。歓喜する子供たちにクジラの姿を見せようと、どこの親も必死になってクジラのいる方向を指さしながら、どっちの方向にどう動いているかなんて解説をしていますので、ほんの一瞬、勇気を出して海原から視線をそらし、よそのお父さんの指がどっちを向いているかを盗み見るんです。そうすれば比較的かんたんにクジラの位置と動きを把握し、カメラを構えることができるようになります。

以上、Whale Watchのコツをご紹介しました。
皆さんもお試しを(笑)。