竹中大工道具館
2023年02月09日(木) 14:55
日本発信四方山話, 兵庫- CARPENTRY TOOLS MUSEUM
- This is one and only museum of carpentry tools in Japan to collect and conserve carpentry tools as a cultural heritage. Its building and interior decorating are all to prove the high skills of Japanese carpenters. Even though you are not interested in carpentry, you will surely enjoy seeing some exquisite traditional works by Japanese carpenters.
神戸まで出張でした。せっかくなので週末のうちに前入り。ふつうなら異人館めぐりとかをするのだと思いますが、すでに何度も行ったので今回はパス。もっとマイナーで楽しめるところはないものかと探して見つけたのが竹中大工道具館です。
竹中工務店さん創業者のご自宅だか別荘だかがあった土地を活用してつくられた博物館で、大工道具の歴史や日本の建築技工などを紹介しています。贅沢な素材や匠の技を駆使して作られている建物や内装がめちゃくちゃ美しかった。
天井の一部。
一枚板を削って作られた踏み板。
裏の休憩所の目隠したち。
常設展示は、縄文時代に石斧を使って木を切り倒していた時代からはじまります。稲作文化と共に大陸から鉄が伝わり、鉄斧を使えるようになり、少しずつ進化はしつつも、大きな鋸と書いて「大鋸(オガ)」の登場までは長い年月を要したようです。それまでノミや楔を木材に打ち込んで縦に裂いて割るという「打ち割り製法」でしか作れなかった製材が大鋸のおかげで飛躍的に進化したのが15世紀頃。「おがくず」という言葉はこの「大鋸」の屑から来ているそうな。
鋸の他にも、鉋(かんな)、墨壺(すみつぼ)などなど大工道具の数々も展示されていました。大工道具に分類されるものは全部で180種類くらいあって、大工さんはそれらの中から今日の作業に使う道具を選んで現場に持参する……みたいなことをしているらしいです。道具の保管場所や維持管理とかなにげに大変そうですね。
神社仏閣に施された建築技工が紹介されているコーナーもありました。↓は、東福寺三門の懸魚(げぎょ)の縮尺2/3模型です。猪の目に由来する「猪目(いのめ)」が見られます。
そしてなんといっても美しかったのは、こちらの組子細工。
すこし離れて見ると美しい風景が浮かび上がるんですが、わたしの下手な写真だと伝わらないと思うので貼らない。気になる人はぜひ現地まで足をお運びください。新幹線の新神戸駅からすぐ目と鼻の先です。